20歳のクーリッ「酒」 数量2倍でテスト販売再び

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC313M00R30C23A5000000/

 

スタジアム内ではブースを設けて販売している(5月30日、千葉市ZOZOマリンスタジアム

ロッテは飲むタイプのアイスクリーム「クーリッシュ」について、アルコール入り2商品のテスト販売を始めた。2022年に続き2回目。今回は数量を2倍程度に増やし、販売地域も広げる。発売から20年たった定番商品にアルコールといったテイストを加え、進化させていく。

クーリッシュ フローズン レモンサワー」と「クーリッシュ フローズン グレフルサワー」の2商品を投入する。皮からすりおろした苦みのあるレモン味など、チューハイテイストを意識した。内容量は140ミリリットルでアルコール分は5%。価格はオープン。8月末まで提供する予定だ。

九州・沖縄地方の一部コンビニエンスストア電子商取引(EC)サイト、長崎県佐世保市ハウステンボスプロ野球ロッテの本拠地であるZOZOマリンスタジアム千葉市)でも取り扱う。

 

アルコール入りクーリッシュは「フローズン レモンサワー」㊧と「フローズン グレフルサワー」を投入する

 

22年のコンビニ販路は沖縄県に限ったが、九州も加える。都市部での動向を検証する。

クーリッシュは03年に発売した。アイスクリームをパウチに入れ、外出先でも手軽に味わえる。ロッテのアイスクリームでは看板商品の1つ。通常品はバニラ味を含む6商品を展開している。22年度の売り上げは21年度比1割増と好調だった。

アルコール入りクーリッシュは、酒類市場のトレンド変化を念頭に置いている。チューハイといったRTD(レディー・トゥー・ドリンク)商品は、若者のアルコール離れが指摘されているなかでも好調だからだ。手軽さやRTD商品の利点を併せ持つ強みをいかし、若い女性らの需要を掘り起こす。

2回目のテスト販売

都市部での動向を検証する(5月30日、千葉市ZOZOマリンスタジアム

22年夏〜秋に手がけたテスト販売では、立地で売れ行きに差が出た。都市部の店舗が好調だった。特に球場・音楽フェスの会場では「抜群に売れた」(商品開発を担当した同社マーケティング本部の平井翔大氏)。20〜30代の女性を中心に好評だったという。一方、ロードサイドのコンビニでは伸び悩んだ。

懸念もある。通常のクーリッシュと間違えて、20歳未満の消費者が酒類販売する2商品を誤って口にすることだ。平井氏は「早期の全国販売を目指してはいるものの、20歳未満の誤飲酒防止や製造設備のキャパシティーなどを慎重に見極める必要がある」と語る。通常1回で終えるテスト販売を、あえて2回手がけている理由だ。

初回のテスト販売では誤飲酒の報告はなかったものの、酒類として正しく飲んでもらうために検証を重ねている。