https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC313M00R30C23A5000000/
ロッテは飲むタイプのアイスクリーム「クーリッシュ」について、アルコール入り2商品のテスト販売を始めた。2022年に続き2回目。今回は数量を2倍程度に増やし、販売地域も広げる。発売から20年たった定番商品にアルコールといったテイストを加え、進化させていく。
「クーリッシュ フローズン レモンサワー」と「クーリッシュ フローズン グレフルサワー」の2商品を投入する。皮からすりおろした苦みのあるレモン味など、チューハイテイストを意識した。内容量は140ミリリットルでアルコール分は5%。価格はオープン。8月末まで提供する予定だ。
九州・沖縄地方の一部コンビニエンスストアや電子商取引(EC)サイト、長崎県佐世保市のハウステンボスやプロ野球ロッテの本拠地であるZOZOマリンスタジアム(千葉市)でも取り扱う。
22年のコンビニ販路は沖縄県に限ったが、九州も加える。都市部での動向を検証する。
クーリッシュは03年に発売した。アイスクリームをパウチに入れ、外出先でも手軽に味わえる。ロッテのアイスクリームでは看板商品の1つ。通常品はバニラ味を含む6商品を展開している。22年度の売り上げは21年度比1割増と好調だった。
アルコール入りクーリッシュは、酒類市場のトレンド変化を念頭に置いている。チューハイといったRTD(レディー・トゥー・ドリンク)商品は、若者のアルコール離れが指摘されているなかでも好調だからだ。手軽さやRTD商品の利点を併せ持つ強みをいかし、若い女性らの需要を掘り起こす。
2回目のテスト販売
22年夏〜秋に手がけたテスト販売では、立地で売れ行きに差が出た。都市部の店舗が好調だった。特に球場・音楽フェスの会場では「抜群に売れた」(商品開発を担当した同社マーケティング本部の平井翔大氏)。20〜30代の女性を中心に好評だったという。一方、ロードサイドのコンビニでは伸び悩んだ。
懸念もある。通常のクーリッシュと間違えて、20歳未満の消費者が酒類販売する2商品を誤って口にすることだ。平井氏は「早期の全国販売を目指してはいるものの、20歳未満の誤飲酒防止や製造設備のキャパシティーなどを慎重に見極める必要がある」と語る。通常1回で終えるテスト販売を、あえて2回手がけている理由だ。
初回のテスト販売では誤飲酒の報告はなかったものの、酒類として正しく飲んでもらうために検証を重ねている。